平成27年6月27日土曜日、この日は朝から祁答院バスに乗車するために、6時過ぎに自宅を出発します。というのも「中武公民館下」を起終点とするBコースに乗車するためには、現地までの公共交通機関が他に無いために、悩んだあげく前回乗車したAコースとの複乗区間となる、「JA上手支所前」まで自家用車で向かい留め置き、そこから中武集落までの約4キロを徒歩で乗り込むことに決めました。
JA前の交差点から蒲生町へと抜ける県道396号線を南下します。土曜日の朝ですが、通勤と見られる車の往来がそれなりにあり、徒歩で初めての道を行く心細さを和らげてくれます。
徐々に山あいに入り民家も完全に途切れた場所に、中武集落への分岐路があり県道とお別れ。いきなり杉の木に覆いかぶされるような道で、本当にここはバス道なのかと不安になります。少し開けた場所に民家がポツリと。「中武後」の停留所標識が見えて一安心します。
写真の奥方向が中武集落です。ここからまだまだ上り坂が続きます。
歩き始めておよそ一時間、坂を上り切り、少しだけ下ると、ようやく開けた場所に出ます。「中武公民館下」停留所はすぐ近く、位置の確認ができて、また安心。少し早く着いたので周辺を散歩してみます。公民館は小高い場所にあり、集落を見渡すことができました。
停留所から少し蒲生町側へ歩くと、中武集落に電気が開通した記念碑が建っています。田舎の集落へ行くと、開墾や耕地整理等の記念碑は良く目にしますが、こういった記念碑は珍しい部類かと。
停留所に戻りベンチに腰掛けていると、地元の老女が通りかかりご挨拶。見掛けない顔の私に何事かと話しかけてきます。
「バスが無くなると聞いて、乗りにきました」と伝えると、
「じゃっとなあ~、無かごっなっと(無くなると)不便やっとお」
「かねても乗りよいやったですかぁ?」
「はい、病院に行きよったと」
新しいデマンドシステムにも不安を語られ、普段利用をされているご年配の方々には、バス廃止は影響が大きいようです。
発車時刻の3分程前に、バスが回送でやって来ました。既に「矢立公民館~大村温泉」の朝1便を走り「中武公民館下」からの便は2行路目となります。
バスに乗り込み担当運転士さんにご挨拶、事情を話し「今日一日、あちこち追いかけます」とお願いすると、快諾して頂き安心します。早速Bコース一番の盲腸線「秋上」停留所にて撮影させて頂きます。
写真左方向への県道391号線の道幅が、ここを境に極端に狭くなります。市道部分にバックで進入し、今走って来た右方向へと折り返します。天候が良くないのもあって、背後の山深い感じが伝えられないのが残念です。
車内には祁答院バス廃止と、デマンド交通へ移行するお知らせの貼り紙。
「秋上」から「JA上手支所前」までは、下り坂も手伝ってあっという間。運転士さんにお礼と後ほどまたよろしくお願いしますと伝え下車しました。