祁答院蒸溜所蔵開き会場から徒歩3分、温泉街を流れる川べりに「下ノ湯」があります。会場で知り合ったおじ様のお奨めですが、以前「祁答院バス」を追いかけた時に乗車した南国交通の運転士さんからも、奨めて頂いた経緯があります。
木造のこじんまりとした建物、入浴料金150円也。受付に(入浴料をお入れ下さい)と貼られた受皿が置かれていて、席を外されてます。声を掛けても出てこられず、信頼関係で成り立っているんだなあ、と感心する次第。内部の撮影はしませんでしたが、約2,5m四方の正方形湯船に壁には藺牟田池の写真を焼き付けたタイル貼り。お湯はクセがなく長く浸かれる適温で、ライオンの口からお湯が出てます。
時間があるのでもう一軒ハシゴします。
温泉街を流れる川の最も上流に位置する「さざらし湯」。こちらは休養室も備えた大きな建物。聞いたところ、最初は町営だったそうです。祁答院バスが走っていた当時は「砂石会館前」停留所もありました。
こちらも150円也、券売機方式です。湯船はおよそ6m✖2,5mの楕円形。一度に20人位浸かれるくらいの広さです。お湯はクセがないですが、やや熱めで冬場はあったまりそうです。
温泉を楽しんだあとは再びバス道へロケハンに。(その1)の写真を撮影した向かい側の市道でバスを待っていたら、見覚えのあるワゴン車が走って来ました。どうやら祁答院町在住の友人Iさんのようですね~w。祁答院バスに妄想してパチリ。
市内横断シャトルバスの「いむた清風」行きがやってきましたが、このタイミングでイチョウの木に雲の影が・・・残念でした。
打ちひしがれた気持ちで、蔵開き会場へと戻ります。
せっかく来たのに、ふるまいにばかり気を取られて、蔵の中を見学していませんでした。工場の中は独特な香り、お酒くさいのとは違い、どちらかというと発酵系の甘い香りです。
こちらが祁答院蒸留所推しの「木槽仕込み」。ぷくぷくと発酵中。
ふるまいの数々と温泉も充分楽しみ、15時06分の川内駅行きの市内横断シャトルバスで戻れば、たったの300円で川内の中心部からでも往復できます。「バスなので安心して飲める」ここが私の一押しポイントです。
今回はこのバスを見送り、もう一度蔵開き会場へ。
Iさんの関わりがある「菊地田種子島踊り」(きくちだたねがしまおどり)を見学。何故祁答院で種子島踊りなのか?Iさんにお聞きしましたところ、丁寧にご説明を頂きました。(以下Iさんが地域長老に聞き取り、まとめられたものです)
1735年出水の地頭、種子島弾正伊時(たねがしまぜんまさいと)の人望を記念して踊ったのが始まり。宮之城泊野地区を経て、明治36年に祁答院に伝承。発祥は種子島で、種子島の安城踊りと、踊り歌詞に共通点がある。戦前までは男踊りだったが、戦後は菊地田の婦人会が踊るようになり、平成になってから「菊地田種子島踊り保存会」を発足。轟地区の子供達に踊りを伝承させている、とのことです。
18人の踊り手の子供達は、10月から毎週二回2時間の練習をしての披露です。着物に太鼓にかぶり傘と、体の小さい子は動くのも大変そうですが、およそ15分しっかりと最後まで踊っていました。これからも伝統を受け継いでほしいものです。
これにて蔵開きは終了、Iさんとも別れて会場をあとにします。
県道42号線沿いにある空港特急バスの停留所。時間が少々ありましたので、これまた最後にふるまいで頂いたポップコーンなんぞをかじりながら、時間つぶしです。
フロントガラスから差し込む西日を浴びながら、特急バスのリクライニングシートに身を委ねて帰路に就きます。お天気に恵まれたのが本当に幸いでした。
で、今回購入した三種の焼酎。4合瓶ですが、なかなかのお値段です。ちょっとずつ楽しもうと思います。
タダ酒ばっかりじゃなくて、ちゃんと課金しましたよ~。最後には受付の方が追いかけてきて、粗品まで頂きました。
重ねて申し上げたいのが、バスで行くと振る舞い酒を安心して頂けるという手段があるということを、皆さんに知っていただきたいのです。
以上、祁答院蒸溜所蔵開き、平成29年新焼酎リポートでした。