最終便に乗車するために土川車庫近くへ自家用車で来ました。なにせ終点到着後に帰る手段が無いので仕方なしなのです。
車を止めて歩いていると、川内市街地からのコミバスが終点の「土川東」(鹿児島交通名、土川農協)へとやって来ました。担当運転士さんは懇意にして頂いている方で「今から串木野回りで最終便に乗る」旨を伝えると(好きやな~)という様な表情。でも話が早いのです。
串木野駅行きの起終点「土川入口」へ。いつ来ても良い場所です。
発車してすぐに折り返しの川内駅行きコミバスと対峙、先程の運転士さんが思いっきり手を振って下さいました。午後の便は「土川東」~「土川入口」の区間で休日ダイヤでも相互乗り継ぎ出来る事が、マニアにとってありがたいのです。
車内から見た「土川車庫」(右側)。数時間後にまた戻ります。
この路線、海あり山あり狭隘区間あり、乗り応えありますが、今回は土川車庫線の記事ですので、乗車記はまた次の機会に。
「串木野駅」の時刻表、朝の8時12分神村学園行きと、16時40分土川車庫行きが該当便。
めくると翌9月1日からの時刻表、朝夕の羽島~城西高校直通便も「しれ~っと」なくなって、なかなか寂しい時刻表に。
川内駅までJRで移動です。「いやそこは最終便に乗らんのか~い」とツッコミの声が聞こえてきそうですが、まあ50番線と重複しますので。おまけにこんな国鉄型が来ちゃうと、昭和生まれは義務感で乗らざるを得ないのです。
川内駅で待つことしばし、最終便がやって来ました。この数年大型車が充当されることも多かったのですが、最後のバスは中型車。「らしいっちゃあ、らしい」と。
ここから車内の写真は動画からの転載ですので、画像が粗いです。
「川内農協前」のバス道。これが路線バスの通り納めとなります。
通学定期をかざして下車する女学生。年度途中での廃止は可哀想です。
明日からは乗り継ぎでの通学、煩わしいことでしょう。
こちらは初老の男性、両替をして現金払いでしたので、乗車頻度の少ない方でしょうか。
「寄田新田」で下車した男性、降り際に「今日で最後ですか?今までありがとう。お世話になりました」と。運転士さんと何度も何度も頭を下げられて言葉を交わされました。おそらくは林田バス時代から、ずっと利用されてきた方なのでしょう。これには胸が熱くなりました。
これで車内は私ひとりとなり、貸し切り状態となりました。
土川地区に入り、終点まであと3停留所となっても、運行時刻を守られるための調整停車をされます。まるで最後の運行を愛おしむかのようです。
そして終点「土川車庫」に到着。運転士さんから「最終便のご乗車ありがとうございました」とお言葉をいただきました。驚きと共に感動しました。
これで本当に見納めの「土川車庫」です。(許可を得て撮影)
回送の幕を出して、土川車庫を離れた最終便。
伝統ある「高江・久見崎・土川線」は静かに幕を引きました。
昔の話も少しだけいただいているので、次回の記事とします。